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山仕事と泊鉈
山仕事に入る前に、山の神に挨拶をする。

少し前のことだが、友人が所有する山の手入れに入ることになり、
境木として伐らずに残してあると思われるモミの大木の根元に
小さな祭壇を拵え、お供えをして、作業の安全を祈願した。
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この時は、仕事初めということもあり、伐採鋸と手斧も持参して、お供えに添えた。
伐採鋸などは実際には使用しないが、色々思うところがあって、持って行った。
本当は、荷物を少しでも軽くしたいところだが、この時はちがった。

チェーンソー や刈払機、 ガソリン、弁当や水、薬や手ぬぐい、ロープに梯子に・・・・
仕事道具は沢山ある。担いで急勾配を上るのは、ひと苦労だ。

ここで、忘れちゃならんのが、 泊鉈  なくてはならない道具である。
出番はいくらでもある。
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今はもう、見られなくなったが、炭焼きなんかが盛んだった頃、里山はとても綺麗だったそうだ。
枝や小木は焚き付けに、落ち葉は堆肥などに、木は蒔や炭材、むろん建築材料に。。。
そんな頃は、今よりもっと、出番があったのだろう。

使っていて感じるが、上の写真のような山林の仕事はもちろんだが、
里山での山仕事に、より向いていると思う。
竹林の整備なんかに行くと、無敵なのだ!倒した竹の処理なんかめっぽう早い。



現在は、街で普通に暮らしていれば、鉈の出番なんかほとんど無い。
鉈だけではない。最初の写真の伐採鋸しかり、昔からある手道具など 使わなくなってきた。
生活スタイルが変わり、便利を追求し電気製品がますます増え、人はどんどん動かなくなってきた。

それぞれの道具は、それぞれに造る職人がいて、そこには卓越された技術がある。
近い将来、”ある” ではなく ”あった” と、過去形になってしまうのだろう。

本当に、これで良いのだろうか?

と、思うのは、自分だけだろうか?
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by a-taipe | 2012-06-13 02:35 | 日本刀・刃物系
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